長崎大学グローバルCOEプログラム「放射線健康リスク制御国際戦略拠点」
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第29回グローバルCOEセミナー

リアルタイムイメージングから見た
非相同末端連結経路におけるDNA損傷認識機構


矢野憲一教授
熊本大学 バイオエレクトリクス研究センター



非相同末端連結(Non-homologous end-joining, NHEJ)は哺乳類におけるDNA二本鎖切断(DNA double-strand break, DSB)の主要な修復機構である。私たちはNHEJ基本因子の挙動をライブセルイメージング法によりモニターすることで、DSBが生じた直後のNHEJ因子の応答反応を解析した。YFPタグを付加したNHEJ因子を各種NHEJ欠損ならびに相補細胞中で発現した。レーザーマイクロビーム照射により単一細胞核内の特定部位にDSBを誘導し、各種細胞内におけるNHEJ因子のDSB認識を解析した。その結果、これらの因子が互いに生化学的に相互作用することが知られていたにも関わらず、生きた細胞内におけるDSBの認識と集積においては互いに独立に挙動しており、各々の因子とKuの相互作用のみがDSBへの集積に必須であった。次に、DSB部位特異的なFRAP解析を実施し、DSB上でのNHEJ因子の平衡状態について解析した。その結果、NHEJ因子間の相互作用は、DSB上へ集積した後の高次複合体形成に重要であると推測された。従来、DSB上にNHEJ因子が一つずつ順序だてて結合していくことでNHEJ反応が進行していくと想像されてきたが、イメージング解析の結果はこれを明確に否定するものであった。私たちはライブセルイメージングの結果をもとに新たなモデルを提案した。この新モデルは、DSB認識・集積と、DSB上での複合体形成の二つの過程から成っており、従来のモデルでは説明できなかった結果も含めて、さまざまな観察を整合性をもって説明することが可能となった。
 
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