生物は各々の持つDNA鎖を正しく複製することで遺伝情報を子孫に伝えている。しかし、DNAは環境・内因的ストレスなどにより、損傷が生じるとその複製が阻害され、細胞死やゲノム不安定性を引き起こす原因となる。そのため、損傷存在下で、細胞はDNA複製を完了するために、損傷バイパス機構を備えている。本セミナーでは、損傷バイパスがどのようなタイミングで起き、また、どのようにDNA複製に関与するかを明らかにした、出芽・分裂酵母を用いた研究を報告する。
Ubiquitin-dependent DNA damage bypass is separable from genome replication Nature 465, 951-955 (2010).
|