ごあいさつ

 平成26年11月1日より原爆後障害医療研究所 放射線・環境健康影響共同研究推進センター(原研センター) 共同研究推進部教授に就任いたしました林田直美と申します。私は長崎大学医学部を卒業後、現在の長崎大学病院移植・消化器外科に入局し、外科医として勤務しておりました。2008年8月からは、原爆後障害医療研究所 国際保健医療福祉学研究分野に異動し、チェルノブイリ周辺地域における内部被ばく評価及び健康影響調査などを行ってきました。2011年3月に発生した東日本大震災における福島第一原子力発電所の事故後は、福島県で行われている小児甲状腺検査をお手伝いするとともに、福島県双葉郡川内村と長崎大学との連携協定締結やそれに伴う復興推進拠点の立ち上げにも関わらせていただきました。

 原研センターには、共同研究推進部の他に、この川内村・長崎大学復興推進拠点、ベラルーシ共和国に設置されているチェルノブイリ分子疫学調査研究プロジェクト拠点、さらには、医学的資料を収集・整理している資料調査室、原爆被爆者の生体試料を収集・整理・保存している生体材料保存室が属しています。共同研究推進部は、これらの部署を統括、活用しながら、原爆後障害医療研究所と様々な機関との共同研究・プロジェクトを展開し、推進していく役割を担っています。

 特に長崎大学は、世界でも唯一の被爆国にある大学として、世界の被ばく地域をフィールドとした被ばく医療、そして福島県の復興・発展に支援・協力していく使命があるのではないでしょうか。今後、共同研究推進部は、川内村、ベラルーシなどのユニークな国内外の拠点・フィールド、さらに生体材料等を共同利用しながら、多領域での共同研究を推進し、福島県の復興支援、避難地域の帰還支援を行っていきたいと思います。
長崎大学原爆後障害医療研究所
放射線・環境健康影響共同研究推進センター(原研センター)
共同研究推進部 教授
 林田 直美