プロジェクト:緊急被ばく医療

 
目的 メンバー 事業計画 活動報告

目的

緊急被ばく医療に関する国際共同プロジェクトを推進し、長崎大学WHO甲状腺研究協力センターを通じてWHO緊急被ばく医療ネットワーク(REMPAN)に参画し、その責任の一端を果たす。日本の緊急被ばく医療ネットワークへ貢献すると同時に、アジア・ユーラシア地域への放射線被ばく医療の研究調査・医療協力拠点としてその役割を分担する。
  1. 緊急被ばく医療専門家を現地緊急時医療対策本部へ派遣する。
  2. より専門的な診断・治療が必要とされる被ばく患者を受け入れる。
  3. 国内専門機関とネットワークを構築し、情報交換、研究協力、人的交流を行う。
  4. 平常時から緊急被ばく医療体制の充実を図る。
  5. 緊急被ばく医療に関する技術開発・研究を推進し、教育啓蒙活動を推進する。
  6. 国際社会の要請に応える専門家の育成と現地派遣、更にWHO-REMPANの一員として緊急被ばく医療の責務を果たす。
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メンバー

山下 俊一* 分子診断研究分野教授
朝長 万左男 分子治療研究分野教授
関根 一郎 病態分子解析研究分野教授
難波 裕幸 分子診断研究分野助教授
大津留 晶 永井隆記念国際ヒバクシャ医療センター助教授
芦澤 潔人 分子診断研究分野助手
高村 昇 健康予防科学講座公衆衛生学助教授
森下 真理子 分子診断研究分野助手
ウラジミール・サエンコ 国際放射線保健部門助手
ガビット・アリポフ 生体材料保存室助手
タチアナ・ログノヴィッチ 分子診断研究分野研究機関研究員

*プロジェクトリーダー、放射線被ばく医療・疫学コンソーシアム担当責任者
大津留 晶(医学部・歯学部附属病院)、高村 昇(大学院医歯薬学総合研究科)以外は全員、大学院医歯薬学総合研究科附属原爆後障害医療研究施設

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事業計画

  1. 緊急被ばく患者に対し適切な対応をとるために、線量評価を行う体制と急性、慢性放射線障害に関する研究体制を構築する。
  2. WHO REMAPN会議など国際緊急被ばく医療会議に参加し、情報交換とノウハウの蓄積を計る。
  3. 緊急被ばく医療に関する種々の訓練に積極的に関与貢献する
  4. 世界の緊急被ばく医療のデータネットワークを構築する。
  5. 放射線事故の際には要請に基づき速やかに専門家を現地へ派遣し、同時に世界の放射線関連ヒバクシャを受け入れ加療する。
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活動報告

長崎大学は2002年にWHO甲状腺研究協力センターとして再指名され、その中で新たな役割として、WHO REMPANセンターの日本代表の一つとして認定され活動継続を期待されている。とくに、緊急被ばく医療の情報交換、種々の関連会議への参加、実際の緊急被ばく医療に関与する人材の育成などが活動の主体となる。(http://www.who.int/ionizing_radiation/a_e/rempan/en/

チェルノブイリの教訓から原発事故など緊急放射線事故時に放射性ヨウ素を被ばくする恐れがあるときには、最優先で放射線感受性の高い乳幼児の甲状腺をその被ばくから守らなければならない。そこで21世紀COEプログラムでは、甲状腺に関する急性放射線被ばくに関する基礎ならびに臨床研究を推進する。甲状腺の被ばく予防と汚染除去が主たる研究テーマであるが、その理由は(1)原発事故後の放射性降下物と(2)検査室などからの人体影響での主たる放射線核種がヨード類であり、特異的に甲状腺に摂取され障害を引き起こすため、その予防や対処が重要となる。すでに被ばくをした甲状腺に対する除染という新たな研究テーマはWHO REMAPNや21世紀COEの協定機関との連携で推進する予定である。普段からこれら稀な事象ではあるが、放射線事故対策や準備を行う必要がある。そのために、種々の訓練に参加すると同時に長崎においても緊急被ばく医療セミナーなどを計画し医療スタッフの教育プログラムに参加していく。さらに長崎ヒバクシャ医療国際協力会(NASHIM)(http://www.nashim.org/index.html)との共同事業により、国内外の原爆被爆者などに対しては国際ヒバクシャ医療センターを通じて大学病院に受け入れ治療を行う。

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