活動

台北栄民総医院との学術交流協定を締結し合同シンポジウムを開催しました

 平成29年4月15日に、台北市(台湾)の台北栄民総医院において、同医院と長崎大学の合同シンポジウム「2017 International Symposium of Radiation Emergency Management」が行われ、長崎大学からは片峰茂学長以下6名の教員、事務職員が参加、発表を行いました。台北栄民総医院は、病床数3,000床、一日外来数約10,000人、医師約1,000名、看護師約2,200名、と台湾最大規模の病院です。同時に台北栄民総医院は台湾における原子力災害拠点病院の役割を担っており、台湾において原子力災害が発生した際の高度被ばく医療を主導する立場にあります。長崎大学は、平成27年より高度被ばく医療支援センターおよび原子力災害医療・総合支援センターに指定されており、今後本分野における国内のみならずアジア諸国をはじめとする国外の医療機関との有機的ネットワークが重要となっています。このような観点から、長崎大学は台北栄民総医院と学術交流協定を締結し今後の情報共有、人事交流を行うこととしました。

 当日のシンポジウムに先立ち、長崎大学と台北栄民総医院との学術交流協定の調印式が行われ、片峰学長と張徳明院長が協定書への署名を行いました。引き続いて行われたシンポジウムでは、長崎大学から松田尚樹教授が「日本における放射線防護の現状」、高村昇教授が「チェルノブイリから福島への教訓」、折田真紀子助教が「福島におけるリスクコミュニケーション」、鈴木啓司准教授が「低線量被ばくの生物学的メカニズム」と題する講演を行いました。また、最後に行われたパネルディスカッションには片峰学長はじめ当日の発表者が登壇し、福島原発事故後の日本の原子力災害医療体制についてや、今後の両機関の連携について等、フロアを交えた活発な質疑応答が行われました。今後長崎大学は、高度被ばく医療支援センター、原子力災害医療・総合支援センターとして、アジア諸国との緊密な連携を通じた、原子力災害医療体制の一層の充実を図っていく予定です。

 

                 (長崎大学 原爆後障害医療研究所 国際保健医療福祉学 教授 高村 昇)
 


学術交流協定調印式

 

長崎大学と台北栄民総医院との合同シンポジウム