【背景と意義】
厚生労働省の在韓被爆者健康相談事業として、約3,000人の在韓被爆者に対する毎年の健康診断、約3年に1回の頻度で日本人医師による健康相談が行われている。長崎大学も原研内科・永井隆記念国際ヒバクシャ医療センターを中心に同事業に参画している。2008年6月末までに在韓被爆者健康相談事業は、2004年度の2度の試験実施を含めて計9回実施されている。この健康診断・健康相談で得られた全情報は大韓赤十字社に紙媒体として保管されているが、紙ベースであること、また健康相談による診断名・今後の方針等が日本語表記であること、また担当した医師によって診断基準が異なることなどから、大韓赤十字社としてはデータ処理ができず、その結果これまで継続的・包括的な活用がなされず、また過去5年にわたり実施してきているものの、健康調査としての疫学解析もできなかった。そこで今回、在韓被爆者の健康疫学解析を目的に、2008年6月に健康診断、健康相談を行ったソウル地区の健康相談参加者を対象にデータベース(過去最大3回の健康診断結果、前回・今回の健康相談時の診断名・問題点)を作成した。 |
【事案の概要】
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健康診断検査データ、健康相談の診断名・問題点の入力・管理用様式の作成(担当:熊谷) |
(2) |
大韓赤十字社に保管されている2005年以降の健康診断検査データの(1)への入力(担当:岩尾)、2004年以降の健康相談時の診断名・問題点の(1)の様式への統一基準による入力(担当:熊谷) |
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【データ入力対象者数】
健診受診者数:355名、健康相談参加者数:275名 |
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(永井隆記念国際ヒバクシャ医療センター 熊谷敦史) |
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