(1)放射性同位元素の臨床利用の研究
ポジトロン断層撮影やシングルフォトンコンピューター断層撮影などを用いた放射性同位元素を用いた循環器・神経・腫瘍・その他様々な疾患の診断・治療への有用性を調べ、臨床利用を進めるための新たな手法の開発を行う。
(2) 突然変異p53による放射線照射誘導細胞内シグナル伝達の変化。
いくつかの突然変異したp53遺伝子を作成し、Saos-2細胞に導入して、放射線感受性を測定している。その結果によると、いろいろな癌細胞でよく見つかっている部位 (Hot spot) が変異したp53遺伝子を導入した細胞は放射線に耐性であった。一方、正常p53遺伝子や、ある種の変異p53遺伝子を導入した場合は放射線に感受性になった。今後、これらの細胞での放射線によるp53の下流のシグナル伝達、さらにDNA修復とアポトーシスの誘導について調べ、放射線感受性の原因を探る。
(3) 放射線損傷の修復機構。
放射線照射によってDNA二本鎖切断が生じる。この二本鎖切断に対してDNA-PK(DNA-dependent protein kinase)が活性化され、修復機構が働く。DNA-PKは熱に対して感受性が高い。DNA-PKが欠損しているscid細胞は放射線感受性が高いのみならず、熱処理に対しても感受性が高かった。さらにDNA-PKの修復機構への関与について解析する。