活動

川内村復興推進拠点で「拠点活動報告会」を開催いたしました

平成29年3月15日に、長崎大学・川内村復興推進拠点では、「拠点活動報告会」を福島県川内村にあるKNNセンターで行いました。平成29年度からは長崎大学が連携協定を締結した福島県富岡町が役場機能を避難先の郡山市から富岡町に6年ぶりに戻し、他にも浪江町、飯舘村といった町村が帰還を開始します。今回の拠点活動報告会は、これまでの川内村における復興に資する活動内容、研究成果を共有し、今後のさらなる復興支援を目指すことを目的に行われました。

 報告会は、長崎大学の星野理事(教学担当)の挨拶の後、午前のセッションでは川内村の遠藤雄幸村長、富岡町の滝沢副町長から、震災からの復興、これからの復興と街づくりについて報告があった後に、いわき市に本社があるアルパイン株式会社の前田理事からはアルパインにおける放射能不安払拭と復興の取組み、福島県立医科大学の大津留教授からは県民健康調査の現状についての報告が行われました。その後、医歯薬学総合研究科の新川准教授、教育学部の全教授、それに玉川大学の原田教授からはそれぞれの大学が行っている川内村での教育支援の試みが紹介され、川内村の未来を担う子どもたちへの教育にどのように取り組んでいるかの紹介がありました。

 午後のセッションでは、特に環境保全と放射線災害の観点を中心に、森林総合研究所の松浦主任研究員と福島大学環境放射能研究所の平尾講師から、それぞれの研究所における取り組みが紹介されました。さらに原爆後障害医療研究所の折田助教と医歯薬学総合研究科の福島助教、吉田助教からは、川内村復興推進拠点における活動から食品衛生、メンタルヘルス等の分野への研究展開について報告されました。

 また、昼休みには村民公開講座が開催され、原爆後障害医療研究所の高村教授からこれまでの拠点活動と特にキノコや山菜といった食の安全についての講演が行われ、活発な質疑応答が行われました。

 限られた時間ではありましたが、川内村を中心に多分野で復興支援や復興に資する研究を展開する研究者が一堂に会して行われた今回の活動報告会は盛況のうちに終了し、富岡町をはじめとする新たな復興支援にむけての体制作りの基盤となったのではないかと考えられます。

                 (長崎大学 原爆後障害医療研究所 国際保健医療福祉学 教授 高村 昇)